
無線LANルーターや中継器を買うときに確認するべき無線規格があります。Wi-Fi7は2024年に認可されたばかりの規格で、従来のWi-Fi6との違いを理解していない人も多いです。この記事では、Wi-Fi6とWi-Fi7の違いを徹底解説します。記事を読むと、どっちが自分にふさわしいか選べるようになります。
Wi-Fi6とWi-Fi7の違いは最大通信速度と周波数帯

Wi-Fi6とWi-Fi7の大きな違いは、最大通信速度と周波数帯です。以下の表にまとめました。
Wi-Fi6 | Wi-Fi7 | |
リリース年 | 2019 | 2023 |
IEEE規格 | 802.11ax | 802.11be |
最大通信速度 | 9.6Gbps | 46Gbps |
周波数帯 | 2.4GHz/5GHz | 2.4GHz/5GHz/6GHz |
チャンネル幅 | 20, 40, 80, 80+80, 160 MHz | 最大320MHz |
変調方式 | 1024-QAM OFDMA | 4096-QAM OFDMA |
MIMO | 8×8 UL/DL MU-MIMO | 16×16 UL/DL MU-MIMO |
RU | RU | Multi-RU |
MAC | なし | MLO |

販売されている無線LANルーターや中継器のパッケージには、IEEE規格が記載されている場合が多いよ!
購入する機器がWi-Fi6とWi-Fi7のどちらに対応しているかを確認しよう。
Wi-Fi7とは通信効率が改善された無線規格

Wi-Fi7はWi-Fi6がベースになっていて、Wi-Fi6に比べると最大通信速度や接続の安定性が改善されています。Wi-Fi7の最大通信速度が36Gbpsとすると、Wi-Fi6の約3.7倍です。
Wi-Fi7にはMLO(Multi-Link Operation)が搭載されているため、2.4GHz/5GHz/6GHzの周波数帯を同時に複数利用できます。通信容量が拡大することで、通信速度の向上とデータ送受信の遅延が改善されます。
Wi-Fi7の活用シーン4選
Wi-Fi7を活用するべきシーンは以下のとおりです。
- 8KのUHD(Ultra-High Definition)動画視聴
- VR/ARなどのXR技術利用
- オンライン会議
- オンラインゲーム
8KのUHD(Ultra-High Definition)動画視聴
8KのUHD動画を見る際に通信速度が遅い場合、動画のスキップ時間やバッファ時間が長くなります。8KのUHD動画は高繊細でデータ容量も大きいです。8K動画を快適に視聴するためにはWi-Fi7がおすすめです。
VR/ARなどのXR技術利用

Wi-Fi7はVR(Virtual Reality、仮想現実)/AR(Augmented Reality、拡張現実)などの技術を使う際にも有効です。VRやARはXR(Cross Realyti/Exteded Reality、クロスリアリティ)技術が使われており、没入感を得るために高効率のデータ伝送や遅延なく通信できる環境が必要です。
オンライン会議
昨今のリモートワーク普及に伴い、オンライン会議をする機会も増えました。オンライン会議では音声のひずみや映像の遅延が起こりやすく、情報伝達に支障をきたす場合があります。高密度環境でも安定通信できるWi-Fi7の環境があると安心です。
オンラインゲーム
スマートフォンやノートパソコン、Nintendo Switchによるオンラインゲームでは低遅延機能によりタイムラグを大幅に抑えられます。家電などゲーム以外の機器による電波干渉を防ぐことで、通信がより安定します。
Wi-Fi7を導入する際の注意点

Wi-Fi7を導入する際は、対応機器に注意してください。Wi-Fi7に対応している無線LANルーターや中継器などは、Wi-Fi6対応機器よりも高額な商品が多いです。また、通信速度も事前に確認が必要です。家庭用光回線の多くは1Gbpsが速度上限になっています。
Wi-Fi7は36Gbpsまで対応しますが、自宅に引いている光回線が1Gbpsの場合は1Gbpsの速度しか出ません。自宅の光回線の速度を確認してから導入しましょう。
Wi-Fi7についてよくある質問
Wi-Fi7について、よくある質問をまとめました。
- 従来の規格とWi-Fi7には互換性があるの?
- Wi-Fi7にすると電波の飛距離が伸びる?
- どの機器でも利用できる?
従来の規格とWi-Fi7には互換性があるの?
Wi-Fi7は同じ周波数帯が利用できる場合のみ互換性があります。自宅の光回線がWi-Fi7に対して所有しているスマートフォンがWi-Fi6対応の場合、Wi-Fi6で通信が可能です。
Wi-Fi7にすると電波の飛距離が伸びる?

Wi-Fi7にしても電波の飛距離は伸びません。電波法により出力の上限が定められているためです。ただし、6Ghz帯が追加されたことにより電波干渉や遅延が減り、結果的に「つながりやすい」と感じる場合があります。
どの機器でも利用できる?
Wi-Fi7に対応した無線LANルーターと端末の両方が無いと利用できません。どちらか一方でも対応していなければ、Wi-Fi7は利用できないので注意してください。
プロバイダーによって採用しているWi-Fi規格が異なるため、プロバイダーが推奨している無線LANルーターを選ぶのがおすすめです。
まとめ
Wi-Fi6とWi-Fi7の違いは最大通信速度と周波数です。8K動画の視聴や通信による遅延を無くしたい場合はWi-Fi7をおすすめします。ただし、Wi-Fi7に対応する無線LANルーターやスマホなどの機器は、Wi-Fi6対応機器に比べると高額です。
Wi-Fi7を導入する際には、自宅の光回線の速度も事前に確認しましょう。自宅の光回線が1Gbpsの場合はWi-Fi7の恩恵を受けられないため、無線LANルーターやスマホを選ぶ際はWi-Fi6の規格で十分です。自分に合ったWi-Fi規格を選びましょう。